猫俳句大賞

猫俳句バックナンバー

10月20日週の猫俳句

黒猫の子の
ぞろぞろと
月夜かな

飯田龍太

解 説

季語は「月夜」で秋。 黒い子猫たちがぞろぞろと出てくる月夜!なんと素敵な夜でしょうか。 ふわふわした子猫の黒い毛並みに月光があたり、 一匹ずつ銀色の輪郭が浮かび上がっている景が見えてきますね。 ミステリアスなイメージのある黒猫ですから、 月光に誘われて道に出てきたのかもしれません。 「猫の子」も春の季語ですが、 この句は月夜の黒猫ならではの句なので、秋の句と捉えたいところです。 空気の澄む月の綺麗な夜には、黒猫に出会いたいですね。

10月20日週の猫写真

写真提供:埼玉県 てとさん

 

9月29日週の猫俳句

熟れ柿や
猫一匹を
飼ふ重み

とりゆふ

解 説

第四回猫俳句大賞の佳作受賞作品。季語は「熟れ柿」で秋。

熟れ柿は丸みや重力、そして力を少し加えれば形が崩れてしまうような危うさを含んだ季語です。 猫を抱いたときに感じるあたたかさと重み。また、命を預かり守ることの責任の重さを、掲句では熟れ柿に巧みに取り合わせています。

第四回猫俳句大賞のゲスト審査員 村山由佳さんの素晴らしい選評以上に言えることはありませんね。ぜひ第四回の結果および選評をこちらから改めてご覧ください。

9月29日週の猫写真

写真提供:神奈川県 ペレちゃん