猫俳句大賞

猫俳句バックナンバー

9月14日週の猫俳句

敬老日
猫の土足を
拭いてゐし

鳥居おさむ

解 説

「敬老の日」なのに、猫の土足を拭いてやっている自分って、いったい…そんな飼い主のぼやきが聞こえてきそうな一句です。この句の季語は、敬老日(敬老の日)。九月の第三月曜日、長年働いて社会を支えてくれたお年寄りに感謝し、その労をねぎらうために設けられた、国民の祝日です。季節は、秋。

本来は、ねぎらわれるはずの自分が、猫の世話をしている…しかし、猫には人間の祝日なんて関係ありません。仕方ないなあと思いつつ、気まぐれな猫が可愛くて仕方がない、そんな作者の気持ちも感じられます。

綺麗に足を拭いてもらった猫は、飼い主に感謝をいうこともなく、またぷいっと出ていってしまうかもしれません。でも、また戻ってきたときは、かわいい鳴き声とともに、全身全霊で甘えてくることでしょう。

9月14日週の猫写真

写真提供:和歌山県 中村まふゆさん

 

8月24日週の猫俳句

大根引き
婆より先を
猫が行く

松浦華世

解 説

大根を引きに行くおばあちゃんと、その先を、早く早くと急かすように歩く猫。なんともほほえましい情景です。季語は「大根引く(き)」で冬。文字通り、大根を引っこ抜いて収穫することです。

おばあちゃんにとって、寒い冬の畑での大根収穫は重労働です。猫は、おばあちゃんに甘えたくて、足元でじゃれているだけかもしれませんが、周囲の人には、童話の「おおきなかぶ」のように、猫がおばあちゃんを手伝おうとしているように見えるかもしれません。

飼い犬だったら、おばあちゃんの後を付いてくるところですが、追い抜いてしまうところに、気まぐれな猫らしさが感じられますね。猫の手は借りられなくとも、冬の大根畑までつきあってくれるだけで、おばあちゃんも温かい気持ちになったのではないでしょうか。

8月24日週の猫写真

写真提供:福岡県 レックのママさん