猫俳句大賞

猫俳句バックナンバー

9月22日週の猫俳句

猫の耳
動いて一葉
落ちにけり

鈴木優二

解 説

第四回猫俳句大賞の佳作受賞作品。季語は「一葉落つ」で秋。猫の耳の細かな動きを通して秋の空気感が伝わる句です。

自由に外を歩く猫を観察してみると、猫は驚くほど遠くまで足を伸ばしていることがあります。庭先を通り抜ける猫の目線を想像すると、繊細な秋の景を想像できる気がします。ほっとできる日差し、風も少し涼しく乾いてきた頃、葉の落ちる音がする…。

きっと猫は人間よりもずっと細かく季節の変化に気付いているのでしょう。掲句では猫の耳が動いたこと、葉が落ちたことの間に因果関係はありませんが、不思議と響きあうものがあります。

9月22日週の猫写真

写真提供:神奈川県 ペレちゃん

 

11月29日週の猫俳句

まづ猫に
見する合格
通知かな

中里とも子

解 説

第二回猫俳句大賞の佳作受賞作品。季語は「合格」で春。合格の歓喜が伝わってくる一句です。作者は、合否の結果を待ち焦がれ、郵便局の配達員が家の前を通るたび、そわそわして玄関を出てポストを確認したりしていたのかもしれません。

 

ポストに入っていた封筒を発見し、緊張に震える手で開封すると、待望の合格通知が!喜びを爆発させて家の中に戻ったところで、様子を見に玄関にやって来た飼い猫と遭遇したのでしょうか。

 

合格通知を見せられて、きょとんとしている猫の姿を想像すると可笑しいですね!合格の関連季語には、受験、入学試験、落第などがあり、いずれも春の季語となります。

11月29日週の猫写真

写真提供:東京都 らりるれろさん