猫俳句大賞

猫俳句バックナンバー

9月29日週の猫俳句

熟れ柿や
猫一匹を
飼ふ重み

とりゆふ

解 説

第四回猫俳句大賞の佳作受賞作品。季語は「熟れ柿」で秋。

熟れ柿は丸みや重力、そして力を少し加えれば形が崩れてしまうような危うさを含んだ季語です。 猫を抱いたときに感じるあたたかさと重み。また、命を預かり守ることの責任の重さを、掲句では熟れ柿に巧みに取り合わせています。

第四回猫俳句大賞のゲスト審査員 村山由佳さんの素晴らしい選評以上に言えることはありませんね。ぜひ第四回の結果および選評をこちらから改めてご覧ください。

9月29日週の猫写真

写真提供:神奈川県 ペレちゃん

 

9月22日週の猫俳句

猫の耳
動いて一葉
落ちにけり

鈴木優二

解 説

第四回猫俳句大賞の佳作受賞作品。季語は「一葉落つ」で秋。猫の耳の細かな動きを通して秋の空気感が伝わる句です。

自由に外を歩く猫を観察してみると、猫は驚くほど遠くまで足を伸ばしていることがあります。庭先を通り抜ける猫の目線を想像すると、繊細な秋の景を想像できる気がします。ほっとできる日差し、風も少し涼しく乾いてきた頃、葉の落ちる音がする…。

きっと猫は人間よりもずっと細かく季節の変化に気付いているのでしょう。掲句では猫の耳が動いたこと、葉が落ちたことの間に因果関係はありませんが、不思議と響きあうものがあります。

9月22日週の猫写真

写真提供:神奈川県 ペレちゃん

 
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