猫俳句大賞

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10月1日週の猫俳句

猫と猫
恋なきごとく
すれ違ふ

能村 登四郎

解 説

猫と猫が道端ですれ違うシーン、よく見かけますよね。まれに喧嘩に発展することもありますが、大抵は相手に無関心な様子で、ちらっと相手を見ても、すぐに目をそらして、そのまま遠ざかっていきます。

この句も、そんな猫同士のクールな風景を詠んでいます。「恋なきごとく」すれ違っていても、本当は相思相愛なのかもしれません。ボスの恋人を好きになってしまったり、群れに内緒にしておきたい事情があるのかも。そう考えると、まるで人間のラブロマンスのようですね。

猫は同じ縄張りに暮らす仲間に対しては、目を合わせずにやり過ごす習性がある、ともいわれています。正面から目を合わせることは、攻撃の意思を示すことになるのだとか。何気ない猫の仕草に着目した、作者の鋭い観察眼とユーモアが感じられる一句です。

10月1日週の猫写真

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