猫俳句大賞

猫俳句バックナンバー

2月3日週の猫俳句

おそろしや
石垣崩す
猫の恋

正岡子規

解 説

春になり、猫が発情期を迎えると、夜な夜なオス同士がメスを巡って、唸り声をあげてにらみ合ったり、小競り合いを繰り広げるようになります。大抵は、お互い顔見知りなので、本気になることはないといわれていますが、時には、取っ組み合いの大喧嘩に発展することもあるようです。

この句は、「おそろしや」というくらいですから、常軌を逸した激情のバトルが繰り広げられたに違いありません。たとえ古くなっていたとしても、石垣を崩すほどの大立ち回りです。それでも、メスが「私のために争わないで」と、止めることはないのでしょう。

猫の激しすぎる恋模様にあきれつつ、情熱を燃やし、全身全霊で恋に挑むオスたちを、少し羨ましいと感じてしまう一句です。

2月3日週の猫写真

写真提供:島根県 なつめさん

 

1月27日週の猫俳句

恋猫や
ポンと深夜の
メール来る

冨沢賢

解 説

季語は恋猫で初春。深夜に、雄猫たちがワオワオと求愛の声をあげているのを聴いているところへ、「ポン」とメールが届きます。ポン、というのが、まるで猫の肉球のスタンプを押されたような小気味よい響きですね。

猫たちが恋を歌いあげているときに届いたメールは、どんな内容なのでしょう。やっぱり、恋人からのラブレターでしょうか。深夜に作られたメールですから、理性を飛び越えた情熱的な内容かもしれません。

恋人からの便りを待ちながら、深夜を悶々と過ごしている状況は、季語の「恋猫」にぴったりですね。恋猫は江戸時代から人気の季語で、猫の恋、浮かれ猫、猫の妻など様々な表現(傍題)で、たくさんの名句が作られています。

1月27日週の猫写真

写真提供:東京都 たまみさん

 
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