猫俳句大賞

7月16日週の猫俳句

点描の
黒猫の眼の
夜寒かな

堀本裕樹

解 説


『短歌と俳句の五十番勝負』(新潮文庫/穂村弘・堀本裕樹著)より。

作者はお題である【黒】の一字から「黒猫」、つづいて「点描」を発想し、
天から降りて来るようにするりと出来上がった一句だったと述懐しています。

黒と点、猫と描はそれぞれ構造の似た漢字です(「眼」も遠くない)。
掲句をじっと眺めていると、どことなく無機質な、底知れぬ冷たさを感じてくるのは何故なのでしょうか……。

季語は「夜寒」で晩秋。

7月16日週の猫写真

写真提供:東京都 美羽さん