猫俳句大賞

7月12日週の猫俳句

すれ違ふ
白猫の背に
かなぶんぶん

くま鶉

解 説


第四回猫俳句大賞の佳作句より。

白猫のやわらかな背中、そこに小さな緑色のつやつやしたカナブンが付いていたという大小・色・質感の対比が鮮やかな一句です。
すれ違う人間の目から猫の背を見下ろすカメラワークも自然で、景を想像するとカナブンに夏の日差しが当たって一瞬きらっと光ったようにも見えてきます。
季語は「かなぶんぶん」で夏。

猫俳句大賞では季節問わず猫をテーマにした俳句を応募いただけますが、実は季節の中でも圧倒的に応募作が少ないのは夏の句です。
一方で、春や冬の句はとても多い印象です。
猫そのものが季語になっている(春は恋猫・子猫、冬は炬燵猫など)ことや猫のあたたかみの感じられる季節だからなのかも?と予想しています。

もちろん応募作全体の季節の偏りによって審査基準が変わることはありませんが、掲句のような夏ならではの猫の句にも是非チャレンジしてみてくださいね。
ご応募お待ちしております!

7月12日週の猫写真

写真提供:熊本県 鐵谷知会子さん