猫俳句大賞

11月17日週の猫俳句

薄目あけ
人嫌ひなり
炬燵猫

松本たかし

解 説

季語は「炬燵猫(こたつねこ)」で冬。

猫にまつわる冬の季語には、「かじけ猫」、「竈猫(かまどねこ)」等もあります。猫が凍えていたり、炬燵や火の消えた竈で暖を取ったりする姿を季語としたもので、いずれも寒さに弱い猫の冬らしい姿を本意としています。

掲句の猫は、のんびり炬燵で暖まっていたところを人間にうるさくされたか、炬燵布団を持ち上げられて瞬時に冷気を感じたのでしょう。「邪魔しないでよ」と薄目をあけ、すぐに目をつぶる猫の顔が想像されます。

人嫌いだなあなんて言いつつ、そんな素っ気ない猫の表情も人間側は大好きです。炬燵に猫がいてくれる冬のあたたかさ、きっと特別ですね。

11月17日週の猫写真

写真提供:神奈川県 さちよさん