猫俳句大賞

8月3日週の猫俳句

小春日の
猫の入りくる
診療所

瀧澤伊代次

解 説

飲み屋やたばこ屋、お寺、駅など、いろんな場所に名物猫や看板猫が存在しますが、この句には、診療所に出入りする猫が登場。猫院長とか、猫ドクターとか、いろんなあだ名を付けられ、地元の患者さんたちの間で人気者になっているのかも。

この句の季語は、小春日です。春という言葉が入っていますが、初冬の季語で、まるで春のような、おだやかで暖かい天気の日をさします。

診療所にやってきた猫には、お気に入りの場所があるのかもしれません。窓から小春日の暖かい陽ざしが入る待合室の椅子のうえに、前足と後ろ足を折りたたむ香箱座りで、目を細めている猫の姿が思い浮かびます。診療所に集まる患者さんたちにとって、そんな猫の姿が、何よりも癒しになるのではないでしょうか。

8月3日週の猫写真

写真提供:横浜市 すのぅさん