猫俳句大賞

7月20日週の猫俳句

香水を
猫に嗅がせて
鳴かれけり

進藤一考

解 説

顔をしかめる猫の姿が目に浮かんできます。季語は「香水」。香水は一年中使われていますが、体臭が気になる夏によく使われるということで、夏の季語となっています。

猫の嗅覚は、人間の20万倍以上といわれています。だから、どんな素敵な香りの香水も、鼻先で嗅がされては、猫にとっては迷惑なだけでしょう。猫が鳴いたのは、警戒か抗議の声に違いありません。

猫に香水を嗅がせたのは、飼い主でしょうか。もしかすると、気難しい先生や上司にお中元を届けにいった人が、普段いじめられている仕返しとして、相手の飼い猫にイタズラをしたのかも。猫にとっては災難ですが、こんな仕草にも、猫の愛らしさが感じられる一句です。

7月20日週の猫写真

写真提供:東京都 舟さん