猫俳句大賞

11月24日週の猫俳句

猫が舐むる
受験勉強の子の
てのひら

加藤楸邨

解 説

季語は「受験」で春。傍題には「入学試験」「受験子(受験生)」など。

「受験」が春の季語なのは入学試験が主に2~3月に行われるためです。でも、実際の受験勉強はずっと前に本格化していますね。

受験勉強では、ふと孤独感に苛まれることもあるかと思います。そんな時に、掲句のように猫が傍らにいて手のひらを舐めてくれたなら、何だか心強く、少し肩の力を抜くことができるかもしれません。

掲句はかなり大胆な破調(5・7・5のリズムから外れること)の句で、 ザラザラとした猫の舌の感覚、猫が舐める頭の往復のリズムにも繋がるところがあるように思えてきます。

11月24日週の猫写真

写真提供:愛知県 えるさん