猫俳句大賞

9月14日週の猫俳句

敬老日
猫の土足を
拭いてゐし

鳥居おさむ

解 説

「敬老の日」なのに、猫の土足を拭いてやっている自分って、いったい…そんな飼い主のぼやきが聞こえてきそうな一句です。この句の季語は、敬老日(敬老の日)。九月の第三月曜日、長年働いて社会を支えてくれたお年寄りに感謝し、その労をねぎらうために設けられた、国民の祝日です。季節は、秋。

本来は、ねぎらわれるはずの自分が、猫の世話をしている…しかし、猫には人間の祝日なんて関係ありません。仕方ないなあと思いつつ、気まぐれな猫が可愛くて仕方がない、そんな作者の気持ちも感じられます。

綺麗に足を拭いてもらった猫は、飼い主に感謝をいうこともなく、またぷいっと出ていってしまうかもしれません。でも、また戻ってきたときは、かわいい鳴き声とともに、全身全霊で甘えてくることでしょう。

9月14日週の猫写真

写真提供:和歌山県 中村まふゆさん