猫俳句大賞

12月9日週の猫俳句

猫に貸す
蒲団の隅や
クリスマス

田川飛旅子

解 説

猫を飼っていて、嬉しいことのひとつが、冬場の寒い夜などに、自分の布団の中に入ってきてくれること。猫は気まぐれで単独行動を好む動物といわれていますが、そんな猫が甘えてくる姿は、たまらなく可愛いものです。

この句の猫も、飼い主の布団にやってきます。季節はクリスマス。夜の寒さも身にしみる頃です。クリスマスには華やかなイメージもありますが、「蒲団の隅」という言葉からは、どことなく寂しさが漂ってきます。周りの人々がパーティーで盛り上がっている中、この句の主人公は、一人暮らしのベッドに早々ともぐりこんでいるのかもしれません。

それでも、布団の片隅に猫がいてくれるだけで、心は少しだけ癒されるのではないでしょうか。本当はぎゅうっと抱きしめたいけれど、猫の安眠も妨害したくないし、そっとスペースを空けてあげたのかも。猫と飼い主の信頼関係がうかがえます。

12月9日週の猫写真

写真提供:北海道 がんちゃんさん